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田中 忠夫
no journal, ,
核燃料取扱い施設の解体等で放出されるウランは、敷地表面や土壌粒子表面に蓄積する。環境中における施設放出を起源とするウランの分析方法を検討するため、3種類の土壌中におけるU-238の濃度をICP-MS及び分析に日数と技術を要する線スペクトル法で測定した。ICP-MS測定にあたっての土壌の前処理は、硝酸抽出並びに簡便な高周波加熱による完全分解を適用した。線スペクトル法では硝酸抽出を適用した。U-238の分析結果は、0.001から0.01Bq/gであった。硝酸抽出を適用したICP-MSのU-238濃度は、線スペクトル法の結果とほぼ一致したが、高周波加熱による完全分解を適用した結果に比べ有意に低い値であった。施設放出ウランによる土壌表面汚染の分析にあたっては、鉱物構造まで分解しない硝酸抽出とICP-MSの組合せが有効であることが示唆された。